Gravity Ⅰ 第一話

擦り切れた子守歌を、もう一度  寂れた教会の長椅子からマティスはゆっくりと身を起こす。亜麻色の髪がさらりと流れて一つあくび、随分と眠っていた気がする。こういうときにありがちなことではあるが、起き抜けの不明瞭が抜けないグレ…

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Gravity I プロローグ

次の陽光を望まぬ夜に、星の道標を  親愛なるあなたへ  星が降るような冴え冴えとした夜、あなたと再び巡り合ってから、七度太陽と月が入れ替わりました。  深い森で、ただ静かに自らの終着点を見定めようとするあなたの、頬を伝わ…

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