第一話 預言

 ——舞台に立ち、後悔を振り切り、民草を見よ。

(文字が掠れて読めなくなっている)

 運命を(二文字分の空白)伸ばされた手を繋いだなら、解答は導かれ、自由を掴んでいるだろう。

 ——そして再び、玉座に座す日が訪れる。

『龍の鐘楼』という旧い建造物に刻まれた言葉だ。もちろん現在の公用語であるアトラシオン語ではない。知るべきではない。

 この預言を真に必要とする者は、いずれ姿を現すだろう。

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